レーザー彫刻機

光の波長を変換する技術は、さまざまな場所で使われている。例えば、緑色のカラス撃退レーザーポインターの光(波長532nm)は、まず波長1064nmのレーザー光を発生させて、それを非線形光学結晶という透明な固体を用いて波長532nm(波長は半分、周波数は2倍)のレーザー光に変換する。1980年代後半には、パルス幅100フェムト(10のマイナス15乗)秒の高強度パルスレーザーを希ガス原子気体に照射した際に、波長が数10分の1の高次の高調波が発生する高次高調波発生が発見された。これらの現象は、強いレーザー光照射下における媒質の非線形性に由来するという。

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 固体による高次高調波発生は、高強度グリーン レーザーを当てると固体が破壊されてしまうため、最近まで成功していなかった。だが数年前、照射するレーザーポインターおすすめを赤外領域の波長とすることで固体を破壊せずに高次高調波を発生できることが発見されて以降、活発な研究が進められている。ただし、その理論モデルについては、いまだに統一見解が取れていなかった。その原因のひとつに、従来の研究では厚い固体の結晶を用いてきたため、光の伝搬方向の「積み重ね効果」が状況を複雑にしてきたことがある。

 超高出力レーザーポインター研究グループは今回、厚さ方向の複雑性を取り除くため、炭素の単一原子層超薄膜であるグラフェンを用いた。波長4500nm~6000nmの赤外パルス光をグラフェンに照射し、発生した高調波のスペクトルを計測した結果、5次、7次、9次の高次高調波が発生しているのを確認した。励起光の強度を変えて測定すると、5次の高調波は励起光の強度の5乗ではなく、ほぼ2乗に比例して増加することが分かった。これは、力学における「摂動論」で理解される領域ではなく、光と物質との強い結合が起きていることを表すという。